舞龍
ビクッッッ!
チャラ男①が大きく震えた。
後ろを向くと、物凄い量の殺気を振りまきながら男が歩いてきた。男を見ると、俗に言うイケメンというやつだった。しかもハイレベル。整いすぎてチャラ男がぼやけるくらい。黒髪に赤のメッシュが入った短髪は、あたしが昔していた髪に似ていた。

「チッ!おいてめぇら!いったん引くぞ!炎舞、女!覚えとけ!!!」

そう言ってチャラ男たちはすごい勢いで去っていき、その場には黒髪とあたしのふたりが残った。

「お前なんでこんなとこにいんの?」

黒髪がだるそうに口を開いた。

「理事長室に行きたかったんだけどまよったの。それにあたしはここの生徒だから。それともなに?いたらおかしいわけ?」

そう言うとすごい目で睨んできた。
あたしには効かないんだけどなぁ。

「……ついてこい。」

とだけ言って歩きだした黒髪。
案内してくれるのかな?
態度は気に食わないけど、連れていってくれるならいいか。それにさっきもなんだかんだ助けてもらってるし、お礼くらい言っておくかな。
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