舞龍
炎鳳……

蒼龍の頃に何度か耳にした族。
確か総長が代わってから急激に成長したとかいってたな。
その噂の総長さんが迅ってわけね。
めんどくさいことになりそうだから、かかわらないに越した事はないかなー。

すると、旋は急に真剣な表情になり


「みや、がんばれそうか?」

と問いかけてきた。

フッ……いまさらなんだよ。
あたしはもう

「もどれはしないんだから。」

思ったことが口に出ていたらしく、旋は悲しみに支配されたような表情で微かに
なんで……ってつぶやいてた。

「なんかしんみりしちゃったね笑もう帰る。クラスだけ教えてくれればもう行くから。」

そんな顔させてごめんというと、

「なんで頼ってくれねぇんだよ!!俺じゃダメか?俺じゃお前の闇を分けてもらうことすらできないのかよ!」

と泣きそうな顔で叫んできた。
うるさい。もう手遅れなんだよ。今更頼れだなんて少し都合が良すぎやしないか?だったら、だったら!

「もっと前のあたしにその言葉を頂戴よ……」

「……みや。」

「ごめん。とりみだして。クラスは?」

と聞くと

「1-Bだ。担任は揺月(ゆづき)だから。」

「わかった。ありがとね。旋」

とだけ言って理事長室をあとにした。
私が去った後、旋が泣きそうな顔をして私の背中を見つめていたなんて、知らない。
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