さよならの前に。
そして今、屋上に私と玲はいる。


「なんで私のクラスに来たの?」


私は不思議になって聞く。


「俺の彼女になってもらうため。」


「は?」


私から出てきたのは間抜けな声だった。


「今は返事いらない。もう少ししたらまた聞くからその時返事ください!」


そう言って私に飴をくれた。


「ありがとう」


そう呟いて曇っている空に私はカメラを向けた。


「いつでも美蘭ちゃんはカメラ持ち歩いてんだ。」


「うん。空は嘘をつかないから。」


その言葉に彼は言った。


「そういうこたか。なんかわかった気がする。」


彼は私必要以上のことは聞かない。


だからかな?居心地がいいのは。
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