さよならの前に。
「この半年間早かったけど楽しかったね!」


いきなり玲がそんなことを言うから私はいう。


「いきなりどうしたの?」


「俺、知ってるよ。全部。」


困惑する私に玲はゆっくり言った。


「体育館の裏で松竹梅のことで脅されていたこともまだ美蘭の心に松竹梅がいることも。松竹梅を諦めたのは親友の未真ちゃんを守ることなのも。」


私は驚くことしかできなかった。


「じゃあなんでもっと早く言ってくれなかったの?怒っていいんだよ。玲は。」


私は涙をこらえていうしかなかった。


「今、心にいるのは俺じゃないよね?松竹梅だよね?」


その言葉に私は黙ることしかできない。
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