さよならの前に。
「ねぇ美蘭?本当の気持ちを聞かせてくれないかな?」


私はこの人になんて言葉をかければいいんだろ。


頭が真っ白になった。


いきなり現実を叩きつけられて何を言えばいいかわからないはずなのに私の口からは言葉が漏れる。


「昔のトラウマがあった。初恋の人にお前みたいな地味みたいな女好きになるわけないって。そいつはクラスの人気者で分け隔てなく人気があった。」


「うん。」


玲はうなづいて聞いてくれる。


「転校してきて親友ができてそこまではうまくいっていた。でも松竹梅くんと出会って変わった。人気者嫌いは最初治らなかったけど松竹梅くんと私と未真と長谷川くんで過ごしたあの時間は色あせることはなくていつの間にか好きになってた。」


私の目からは次第に涙が溢れる。
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