さよならの前に。
「俺は好きな人はいません。」


それは未来の言葉を遮り学年の注目を浴びた。


「私も、もう佑くんのことは好きではありません。」


俺はこういうことした。


私はこういうことにした。


自分の中で出した答え。


俺のせいであいつは迷惑をかけられた。


私のせいで佑くんを傷つけた。


それに。俺は１つ約束をしている。


私はもう同じことを繰り返すわけにはいかない。


「もしあなたが私との約束を破ったら美蘭は嫌な思いをするわ。」


それは今、さっき電話で未来が俺に言った言葉。


俺と付き合えば美蘭は嫌な思いをする。


私と付き合えば佑くんを見る周りの態度も変わる。



だから俺は迷わない。


だから私は迷わない。


本当の気持ちなんてきっとすぐに忘れられる。


想いはすぐに消えて新しい思いに成り替わる。


大丈夫。大丈夫。


そう言い聞かせた。
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