さよならの前に。
「想い伝えないの?」


その一言で私は目を見開く。


「伝えようとしたけどダメだったよ。見たでしょ?未真も。修学旅行のときのあの言葉を。」


そういうと未真はもう一度黙ってしまう。


「だから留学しようって決めた。」


そういうと未真は小さくやっぱりそうかとだけ呟く。


「気づいてたの?」


私が驚いて聞くと未真はウィンクしながら言った。


「だてに親友と変わってないから。」


そう言って笑った。
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