「僕は、死にたい」
 


毎日2時間、彼は外出していた。


近所の図書館へ行ったり、公園を散歩したりしていた。


「行ってきます」


「ただいま」


いつも挨拶してくれる、礼儀正しい男性だった。


外出に問題は無く、次は外泊の許可が下りる。


「お母さんの友達」が様子を見てくれることになっていた。






「本当に、ありがとうございました。」



外泊するため病院を出る時、男性はわたしに声をかけて来た。



「行ってらっしゃい!何かあったら病院に電話して下さいね!」



わたしは笑顔で彼に返事をした。





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