【完】キミは夢想花*


椿と出会って、私は毎日天気予報を欠かさずチェックするようになった。



雨のマークがついていないか。

降水確率は何%か。



だけど毎日雨のマークがついていたり、降水確率が100%なわけじゃない。



そんな私は雨よ降れと願うばかり。



もしも今が5月なら梅雨時期で雨が沢山降るのに。

けれど残念ながら季節は7月に突入していた。


そして今日も通常通りスマホで天気予報をチェック。



7月8日──



今日はどうしても椿に会いたい。



そんな思いとは裏腹に天気予報には晴れマーク。



「はぁ...まじか...」



大きなため息が出ると同時に、ベットにダイブした。



コンコン──



その時、部屋のドアがノックされた。



「蓮ちゃん。今日も帰り遅いの??」



ドアの向こうからはお母さんの声。



今日はバイトがないから早く帰ってくることは可能だ。

でも...

雨が降っていなかったとしても、今日は河川敷に行きたかった。

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