【完】キミは夢想花*
正直怖さが消えたわけじゃない。
それでも、私の中で決心がついた。
「亜子ありがとう」
「私なにもしてないけど…」
なににお礼を言われているのか分かっていない彼女は、戸惑いを隠しきれない。
今は何も言うことができない。
それでも、いつかこの日のことを伝えられる日が来ればと思う。
「亜子」
私は彼女の名前を呼んだ。
「なに?」
「亜子は、もっと自信を持っていいと思うよ」
いつもは言わない言葉。
「えっ!?ちょっと蓮さっきから変だよ?熱でもあるんじゃ…!」
亜子は私の額に自分の手を置き確かめる。
「……冷たい…」
そりゃそうだ、熱なんて全くない。