【完】キミは夢想花*
時刻は21時。
学校から帰宅してからと言うもの、家の中を何度もぐるぐる歩いてみたり、椅子に座っては立ち上がり……
それは日が暮れてくればくるほど、落ち着きがなくなった。
そう言えば、迎えに来ると言ってたけど…どうやって?
待ち合わせも何もしていない。
まさか……私の家に?
その時。
コツン──
なにかが窓に当たる音がした。
私は自室の窓を開け外を見てみた。
「連様」
窓から顔を出したと同時に、下から声がした。
まさかと思い下を見れば、案の定手を大きく振っている結さんの姿が。
「お迎えに上がりました」
「……今、行きます」
私は、返事をするとそっと家から抜け出した。