【完】キミは夢想花*


時刻は21時。



学校から帰宅してからと言うもの、家の中を何度もぐるぐる歩いてみたり、椅子に座っては立ち上がり……



それは日が暮れてくればくるほど、落ち着きがなくなった。



そう言えば、迎えに来ると言ってたけど…どうやって?

待ち合わせも何もしていない。

まさか……私の家に?



その時。



コツン──



なにかが窓に当たる音がした。



私は自室の窓を開け外を見てみた。



「連様」



窓から顔を出したと同時に、下から声がした。

まさかと思い下を見れば、案の定手を大きく振っている結さんの姿が。



「お迎えに上がりました」



「……今、行きます」



私は、返事をするとそっと家から抜け出した。

< 113 / 202 >

この作品をシェア

pagetop