【完】キミは夢想花*
Episode 4
*やっぱり…そうなんだ。
妖の世界に行ってから数日。
私の心は明らかに軽くなった気がする。
あの日…人間の世界戻って来て、私は見た光景や思いを伝えるべく亜子の家へと向かったのだ。
夜遅くだったにも関わらず、彼女は嫌な顔等せず私の話を聞いてくれた。
話を聞き終えた後はどこかスッキリしたような顔をし、温かい涙を流す亜子の姿。
そして彼女は言った。
『ごめんなさい。そして…ありがとう』
その言葉は、彼に届いているような気がする。
亜子も私も、彼に様々な色の世界を見せられた。
それは一重には言えないもの。
きっとこの先亜子は、復習とかではなく、生きる意味を見つけ1歩ずつ進み続けるのだろう。
そして、私の名…〝蓮〟という名前。
椿の思いが詰まった、私のことを考えて付けてくれた、素敵な名前。
復習とか、恨みとか、妬みとか…そんなんじゃなくて。
私はこの名前に恥じない、思いに応えられるよう、生きようと思った。
そして、椿との約束。
誰よりも幸せになるという約束。
この約束を絶対に守ろうと心に改めて強く誓った。