【完】キミは夢想花*



***



「ん…蓮…」



聞き覚えのある、優しい声に呼び止められた。



私は後ろを振り向く。



「椿!!」



案の定私の名前を呼んだのは椿。

私の目の前にいる椿は、あの頃からちっとも変わらない笑顔を見せた。



「おいで」



そう言うと、椿は両手いっぱいに手を広げた。

私は嬉しく、涙を浮かべながら椿の元に走る。



椿の元にたどり着くと、彼は優しく私を抱きしめてくれた。



「ずっと…こうしたかった」



「私も…」



私達はお互いに強く抱きしめ合う。



幸せだと思った。

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