【完】キミは夢想花*
丁度通学時間帯。
学校に近づくにつれて生徒が多くなる。
進学校で有名な学校。
みんな制服をきちんと着ていて、髪色はもちろん黒。
私はというと、そんな彼らと正反対の位置にいる存在。
そんな私のことをみんな不審な目で見てくる。
そして、
「よくあんな格好出来るよね」
「この学校に不釣り合いだってこと分かっていないのかな」
「同じ学校の生徒だなんて思われたくない」
「恥ずかしい」
「来なくていいのに」
なりたくもない会話の種になる。
こっち見るな!
私の話をするな!
心の中で叫んでも相手に届く訳もなく心の中は空しいだけ。
所詮こんな格好でしか反抗できない自分が悪いのだ。
私は感情を胸の奥底に押し込め、歩調を速めた。
教室に着けばクラスメイトが私のことですでに盛り上がっていた。
私は顔を机に伏せて寝ているフリをしその場をしのぐ。
その時、
「あっ!来た来た!やっと来たわね!!」
こんな私に話しかけてくる人がいた。