【完】キミは夢想花*
そんなこの世界を仕切るには生半可なことは言えない。
ボクの勝手な考えだけで、周りを振り回すわけにもいかない。
ボクの我儘で、何人もの死人が出るかもしれない。
そんな汚い世の中に、ボクは逆らえるだけの力はない。
だから、ボクも今まで数え切れない程の人間を殺してきた。
その度に、人間には恨まれ、妖には称えられる。
意味の分からない世の中。
ボクはそんな世界にせめてもの罪滅ぼしで、妖の世界の片隅に今まで自分のせいで亡くなった人数分のロウソクを灯した。
そして、夏のある日になると、ボクは人間の世界にあるお墓に花を供える。
ボクの特殊能力。
それは、どんなところにでも花を咲かせられる能力。