【完】キミは夢想花*
ボクの花は、永遠に枯れない。
そして、花を受け取った者の心の傷を癒す効果がある。
結の人の心を覗くことが出来る能力に比べれば、こんな能力使い物にならない。
人を傷つける立場で、恨まれて当然のボクなのに。
そのボクの能力が、心の傷を癒すなんて…馬鹿げている。
自分の立場と、気持ちの差が激しく悩み苦しむ毎日。
そんな日常を救ってくれたのは、それから数百年後に出会った小さな赤子だった──
赤子…蓮を助けて、今もまだ後悔をしたことはない。
いや、これからもずっと後悔することはないだろう。
蓮がボクの人生を救ってくれた。
契約を交わすことになって、ボクは普通の妖に比べ半分も生きられなくなったが、幸せを感じているんだ。