【完】キミは夢想花*
そして話がひと段落したとき、ボクは別れを告げた。
出来ることなら、別れなんてしたくない。
ずっと傍に居たい。
楽しく笑い合っていたい。
それが本心。
だからこそ、別れを告げる時胸が張り裂けそうだった。
こんなにも誰かを愛したことは今までない。
どんなに綺麗な人を見ても、蓮の方が綺麗だと思うし。
どんなに悲しくても、蓮の笑顔を見れば元気になれる。
ボクがこんなにも誰かを愛すことは、これが最初で最後だと思う。
蓮を愛すことが出来て本当にボクは幸せだ。
『最後に、蓮に会えてよかったよ』
ボクはこの、たった数年の思い出で一生生きていける気がする。