【完】キミは夢想花*


この先、きっと辛いことや苦しいこと、沢山のことが待っているはず。

過去に苦しむことももちろんあるはず。



そんな時、もうボクは蓮を助けに行くことは出来ない。



だから、そんな時心の傷を癒すことが出来ますように──



そう願いをこめた花。



ボクはキスが終わると、力強く蓮を抱きしめた。



連の気持ちはきっとボクと同じ。

ボクの気持ちもきっと伝わているはず。



確かではないが、その方がお互いに今後生きやすい。

自分の想像の中での、物語。

そうしてしまえば、固執することなく綺麗な思い出に出来る。



ボク達は今日の出来事を思い出にして、明日からを生きなくてはいけない。



『またね』



『うん。またね』



さよならの挨拶は、一生の別れを意味する。

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