【完】キミは夢想花*


「あのさ、聞きたいことが……あるんだ」



太陽はどこか気恥ずかしそうに言った。



「なに?」



「たいちゃんしっかりしてよ」



そんな太陽に対して、月が渇を入れた。

一応双子の兄である太陽。

だが、妹である月の方が兄に対してつっこむことが多い。



「ごめん。やっぱり、月が言ってよ」



「はぁ!?ここは俺が言うとか張り切ってたくせに!」



久しぶりに見るこの光景に思わず頬が緩む。

昔はいつもこんな風に喧嘩ばかりしていたっけ。



「もう。たいちゃんって本当女みたい」



そして決まって、月の方が先に折れる。

きっと、ずっと太陽と言い争っていたって、らちが明かないと分かっているのだろう。

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