【完】キミは夢想花*


それから長い年月が経ち、大きくなった女の子の元に、猫さんが大きな花束を持ってやって来ました。



そして、女の子に言ったのです。



結婚しよう。と。



猫さんと女の子はその先ずっとずっと、幸せに暮らしましたとさ」



初めて話した、このお話の結末。



「猫さんと女の子が幸せになれてよかった」



「素敵な話だね」



太陽と月は2人とも薄っすらと涙を浮かべ、そう感想を述べてくれた。



「ねえ、お母さん」



「なに?」



「猫さんは、王子様みたいだね」



月が私に微笑みながら、どこか嬉しそうに言った。



「そうだね。王子様みたいだね」

< 185 / 202 >

この作品をシェア

pagetop