【完】キミは夢想花*
それから長い年月が経ち、大きくなった女の子の元に、猫さんが大きな花束を持ってやって来ました。
そして、女の子に言ったのです。
結婚しよう。と。
猫さんと女の子はその先ずっとずっと、幸せに暮らしましたとさ」
初めて話した、このお話の結末。
「猫さんと女の子が幸せになれてよかった」
「素敵な話だね」
太陽と月は2人とも薄っすらと涙を浮かべ、そう感想を述べてくれた。
「ねえ、お母さん」
「なに?」
「猫さんは、王子様みたいだね」
月が私に微笑みながら、どこか嬉しそうに言った。
「そうだね。王子様みたいだね」