【完】キミは夢想花*
そして、亜子は携帯を見てなにやらニヤニヤしている。
それは今日1番の顔の緩み具合。
「蓮の誕生日って...いつ?」
「昨日だけど......」
どうしていきなり誕生日の話に??
亜子は私の誕生日を聞いて、更に顔が緩んでいる。
「.........なに、またニヤニヤして」
恐る恐る聞いてみる。
すると亜子は私に携帯の液晶を見せてくれた。
〝ルチルクォーツ〟
私のネックレスに付いている金色の石の写真と名前。
「へぇールチルクォーツって言うんだこれ」
「そうじゃなくて!その下!!」
亜子にそう言われ下を見る。
「えっ......」
思わず言葉を飲んだ。
「素敵な人なんだね」
〝7月8日、誕生石:ルチルクォーツ〟
そこにはこう書かれていた。
「.........やっぱり」
「えっ??」
椿は私の誕生日を知っていたんだ。
私はネックレスを優しく握った。
ズルいなぁ...本当に......
そんなことを考えれば、私の顔は不思議と熱くなっていく。