【完】キミは夢想花*
昨夜から外には雨の音が響いている。
「......はぁ...」
そんな雨を見てはため息が出てしまう。
雨なのに憂鬱。
この言葉に限る。
「蓮どうしたの?最近元気ないよね。特に雨の日なんて、前までならめちゃくちゃ喜んでたのに」
「なんか、ちょっとね」
雨の日は唯一椿と会える日だった。
でも、今は違う。
彼は雨の日であっても、最近では姿を現さないのだ。
仕事が忙しいのか。
それとも私に飽きたのか、私に会いたくないのか。
色々と考えをめぐらせるが、後者の考えに辿り着く始末。
私なにかしたかな。
色々と考えてはみるものの、答えは出てこない。
「あんまり溜め込まないでね。なにかあったら聞くから」
「...うん。ありがとう」
亜子は無理に話を聞くことなく、私のことを心配してくれた。
その時、
《えーお知らせします。これから臨時の集会をおこないます。速やかに全校生徒は体育館に集まって下さい。繰り返します...》
校内に放送が鳴り響いた。
「なんだろう??」
「さぁ?」
滅多なことでは臨時の集会は開かれない。
私達は不思議に思いながらも体育館へ向かった。