【完】キミは夢想花*
土曜日──
あさちゃんのお通夜が行われた次の日の朝。
いつもの土曜ならバイトに行く以外部屋から出ない私。
そんな私が今日はアラームをセットし、目覚めたと同時に部屋から出た。
階段を降りると朝ごはんのいい匂いが漂う。
......もう、変なイジを張ったり、反抗したりするのは辞めるんだ。
家族がいる食卓に顔を出すのは久しぶりすぎて変に緊張してしまう。
その時、
「お姉ちゃんだ!!」
妹の陽(ひなた)の声が私に向けられる。
その声に顔を上げれば、お母さんとお父さん、そして妹と視線が合わさる。
そして次に私には温かい笑顔が向けられた。
「「「おはよう!!」」」
お父さん、お母さん、妹は私に変わらず挨拶をしてくれた。
なんで私はこの優しさを素直に受け取れなかったのだろう。
なんで私はこの優しさを粗末にしたのだろう。
「......今まで、本当にごめんなさい!!」
私は今までのことを深々と頭を下げて謝った。