【完】キミは夢想花*
それから数時間後、明るかった茶髪も元の黒髪に戻し家に帰宅した。
帰宅してきた私を見て、お父さんもお母さんも妹も、口を開けてポカーンとして驚いていた。
家族揃って同じ反応だからつい可笑しくて私は爆笑。
「ふふっ...なんか言ってくれないと恥ずかしいんだけど」
「ごめんごめん。えっと...父さんはどっちの髪も好きだよ」
少し照れながら言うお父さん。
「黒も似合ってるわよ」
私が安心する笑顔を向けてくれるお母さん。
「お姉ちゃん可愛い!!」
天使のように可愛い笑顔で言ってくれる陽。
「ありがとう」
それらの言葉にお礼の気持ちを伝える。
部屋に戻り鏡を見れば、久しぶりに見る姿か映し出される。
けれどそれは全く一緒ではなくて、少し大人になったような気がした。
***
月曜日、学校に登校すれば私が歩くだけで私に視線が集まった。
黒髪だけじゃなく、制服もきちんと着たりと校則も守っている。
他の生徒と比べて何ら変わらない姿に生徒は驚いたのだろう。
案の定亜子も、
「えっ!?髪どうしたの!!?!?!!」
期待を裏切らない反応。
「蓮のこと見つけにくくなる!」
「いやいや、髪の色で私を探さないでよ」