【完】キミは夢想花*
***
「準備は大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「それじゃあ、行こうか」
お父さんの言葉に私は首を縦にする。
この間、私はお父さんとお母さんに言ったのだ。
『お墓参りに...行きたい』
1度も行ったことのない、生みの親のお墓。
現実をしっかり見るためにも、行かないわけにはいかない。
私がそう言ったことは特に以外ではなかったらしく、お父さんとお母さんは考えることもなく〝分かった〟と言ってくれた。
そして、今日。
家族4人全員で、お墓参りに行くことになった。
家からは車で2時間。
最初は会話が飛び交っていた車内だが、墓地に近づくにつれ会話は減っていく。
「ここだよ」
車から降りて少し歩いたところに、お墓はあった。
「......ここが...」
もう1人の、お母さんとお父さんのお墓。