【完】キミは夢想花*
一緒に笑って。
一緒に泣いて。
幾つもの感情を共感してきた。
もしも、この家族がいなかったら...
そう考えればゾッとする。
きっと私は、とうの昔に命を自分で絶っていたと思うから。
「お父さん、お母さん、陽」
お墓の前から立ち上がり、大切な家族の名前を呼ぶ。
「いつも、ありがとう」
そして、改めて感謝の気持ちを伝えた。
「「「こちらこそ、いつもありがとう」」」
〝ありがとう〟この言葉があってよかった。
「なにか、お昼を食べて帰ろうか」
「陽ね、おこさまランチたべたい!!」
お父さんの提案にすぐさま陽が反応した。
「じゃあ、お子様ランチ食べに行こうか」
「うん!!」
陽はニコニコで、それを見いた私達も釣られてニコニコに。
〝また、来るね〟
お父さんとお母さんに語りかけ、私達はお墓を後にした──