【完】キミは夢想花*
体育館へ行けば、ぞくぞくと全校生徒が集まり終業式が始まる。
やけに長い校長の話。
生徒の大半は飽きている様子で、ちらほらあくびをしている姿が見えた。
体育館に全校生徒が集まるのは、あの日...連続殺人事件について話された日以来。
犠牲者は現時点で分かっているのは2名。
雨の日の犯行というのは間違いないようで、ここしばらく雨が降っていないせいか事件はピタリと無くなっている。
このまま事件が起きることなく、無事に犯人が捕まれば、と恐らく全員が思っていることだろう。
「ハメを外しすぎず、事故などに気を付け夏休みを過ごして下さい」
校長の長い挨拶が終われば、最後に校歌を歌い挨拶をすると終業式は終わりを告げた。
「校長の話ってどうしてあんな長いんだろうね!」
教室へ戻る最中、亜子が文句を口走っていた。
「みんな飽きてたしね」
「そうそれ!ステージの上からのみんなの飽きてる顔見えないのかな??」
「老眼なんじゃない?」
「蓮ちょっと、それヤバイ!!あはははっ、老眼って!!!」
私の言った言葉がツボに入ったらしく、亜子はお腹を抱えて笑い始めた。