【完】キミは夢想花*
「久しぶりの...雨......」
それはずっと待っていた雨。
「......雨...」
そして、それと同時に......私達の脳裏には今夜殺人事件が起きるかもしれない。
そう考えが過ぎったのだ。
べちゃ──
「あっ...アイス落ちちゃった...」
地面にはイチゴ味のアイスが溶けて落ちてしまった。
美味しかったのにな......
「蓮」
アイスをぼーっと眺めていれば、名前を呼ばれ顔を上げると、亜子は遠くを悲しそうに見ていた。
「亜子?」
「......蓮、今までありがとう」
「......なにが...」
ありがとうなの?
亜子の言いたいことが、イマイチ分からない。