【完】キミは夢想花*
けれど、私の尋ねた答えなんて返ってはこない。
「蓮に会えて、私楽しかった。友達になれて、嬉しかった」
「なに?急にどうしちゃったの?」
突然すぎる言葉に驚きが隠せない。
亜子は日頃からこんなことを言うような人じゃない。
だから、きっとこの言葉の裏にはなにかがある。
でも、そのなにかは...私には分からない。
「......あっ、そうだ!夏休み海に行こうよ!!」
なんだか怖くなり、私はわざと話を逸らした。
だけど...
「ごめんね、多分。行けない」
亜子の表情は曇っていく一方。
「...海嫌だった?じゃあ...そうだ、花火大会に一緒に行こ!!」
頭では分かってる。
きっと...海が嫌だとか、そんなんじゃないということを。
「ごめん」
「......」