【完】キミは夢想花*


どこか24時間営業のお店とかで働いてるのかな。



「仕事頑張って」



「......」



私の言葉に返事は返ってこなかった。



けれどその代わりに、



「...さっきボクも死にたいって言ったの...本当だよ」



この言葉を残して暗闇の中に消えて行った──



椿と会ってほんの1時間程度。

なのに、この日の出来事は深く刻まれた。



死にたがりの私達。



似たもの同士。



そんな私達は雨の降った日の夜この場所で落ち合う。



雨の日、彼が仕事に行くまでの1時間。



たった1時間が、私にとって楽しみで仕方がなかった。



こんなにワクワクする気持ちになったのはいつぶりだろう。



それほど彼の存在は私の中で大きくなっていった。

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