【完】キミは夢想花*
あれから数日、雨の日が続いた。
まるで、私達の心を表しているかのように。
空は泣き続けた。
「......」
「......」
お互いの全てを知ったのに。
私達はお互いになにもその件を口にしない。
言葉にしたら、きっとあの日の出来事を認めなくちゃいけない。
辛い現実を、見たものを全て認めなくちゃならない。
それは、今の私達には酷く辛いもの。
逃げられるなら今すぐにでも逃げたい。
やり直せるなら、やり直したい。
けれど、逃げることは自分の家族を手放すことになる。
やり直すなんて、生まれ変わらない限り出来ない。
けれど、全てを受け止めれるほどの勇気も余裕もない。