【完】キミは夢想花*
どうしたらいいの。
どうすればいいの。
永遠に同じ気持ちが頭の中をループする。
そんな時、誰かが教室で言った。
「連続殺人事件、犯人捕まったのかな」
「最近雨の日でも事件起きないよね」
現実を見たくなくて、気づかないフリをしていたこと。
本当は薄々気づいていた。
雨の日なのに彼が姿を現さないこと。
雨の日なのに事件が起きないということ。
彼は本当に私の前から姿を消したんだ──
それは私が彼に言ったこと。
それは私が彼に望んだこと。
なのに...
心の中がポッカリと空いている気がするのは確か。
こんな気持ち抱くなんて、頭がおかしい。
こんな気持ち、絶対に口には出来ない。
誰にも言えない。
言ったらいけない。
絶対に自分の中に留めておかなくちゃいけない。
私は自分自身に言い聞かせた──