【完】キミは夢想花*
復讐なんて、物騒だ。
復讐なんて、馬鹿げている。
復讐という言葉を聞いて、よく捉える人なんて殆どいないに違いない。
それでも...
復讐というものに生きる価値を貰える人もいる。
復讐に生かされてる人もいる。
復讐というものに助けられている人もいるんだ。
この世界は狂ってる。荒んでる。
そんな中、言葉に善し悪しなんてない気がするんだ。
最低な言葉が未来を見る鍵になるかもしれない。
素敵な言葉が逆に希望を失う言葉になるかもしれない。
「私も同じ」
亜子に向かって言葉を呟いた。
彼女に掛ける言葉が見つからない。
そんな今だからこそ自分の話をしようと思った。
「......ネックレスをくれたのが、彼だった」
〝ネックレスをくれた〟たったそれだけの言葉に全てを詰め込んだ。
案の定、亜子は目を丸くした。
けれど、すぐに眉を顰めた。