【完】キミは夢想花*
全部夢の中の出来事にしてしまった方が楽。
「......それで......苦しくはない?」
亜子は私に尋ねた。
苦しくないわけがない。
苦しくて、苦しくて、毎日もがいている。
「うん、平気。苦しくない」
「......そっか」
私は嘘を付いた。
亜子にも、自分にも。
「ねぇ、いつか......いつか、私も蓮も幸せになれるのかな」
「......なるよ。絶対。誰よりも幸せに」
私達は儚げに笑った。
期待や不安が入り混じった笑顔で。