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――…




彼が渡したメモには

自分の所在を示したホテルの場所と

ルームナンバーが書いてあった。

「来い」という意味なのだろうか。


「アリア、ちょっと出かけてくる」


「じゃあ私も…」


「いや、来なくていい」


「ぇ…?」


「来なくていいよ。一人で行きたいんだ」


こんな事は初めてだった。

結斗がアリアを置いていくなんて事は…。

アリアが驚きを隠せないでいると

それに気付いた結斗が

そっと頭を撫でてくれた。

何も言わずに、黙って…。
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