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アリアに対して
少し冷たく当たってしまったかもしれない。
彼女は何も悪くないのに。
優しく出来ない、自分に嫌気がさす。
でも…だけど…
一つだけ
彼女に隠してる事があるのは本当だ。
――…
結斗が部屋から出てきたのは
あれから二時間後の事だった。
自室に戻ると
アリアが机につっぷして寝ていた。
結斗はそっとアリアの髪を撫でると
彼女はうっすらと瞳を見せた。
「起きちゃった?」
「ユイ…。
ごめんなさい、私、寝てしまったのね」
「いいよ。僕こそ
君を突き放すような事してごめん」
いつもの結斗の笑顔だった。
「ユイ……」
アリアの声に重なって
大きな爆発音がした。
ハッとして窓を開け外を見ると
なにやら街の方が騒がしかった。
「なんだ…?!」
「ユイ、行きましょう?!」
「うん、そうだね」
――…
結斗達が駆けつけたときには
もう一騒動終わった後だった。
近くの街人に尋ねてみると
なにやら可笑しな事を口にした。
「死者が蘇った」と…。
結斗には心当たりがあった。
「アリア、君は先に家に戻って。
…もし僕を追ってきたら…怒るからね?」
「……」
アリアは絶句した。
こんな言葉
今まで一度も言われた事がなかったのに。
そして何より結斗の威圧感が怖かったのだ。
歩き出す結斗の背中を見つめるだけで
彼女はしばらく動けなかった。