Android

「仮に、渡したとして
「それ」をどうするつもりなの？」


「リアを蘇らせるのに必要なんダヨ。
「ドールマスター」は本物の「魂」を「器」に移す事で
限りなく人間に近い人形…「アンドロイド」を
創り出す事が出来ル。
その原理と一緒サ。
本物の「魂」を「肉体」に還せば
死者は蘇る事が出来るんダ」


「それは間違ってる！
死者を蘇らせる事なんて
人間に出来るはずない！」


「ユイ、随分と滑稽な事を言うんだネ。
それが出来るのが
俺達「ネクロマンサー」なんじゃないカ」


「……っ」


ジンの言っている事に偽りはない。

ならば本当に「死者は蘇る」のか…？

結斗には未だ信じられなかった。


「そんなのは、「人間」とは言わない。
所詮は創られたものだ。
リアが蘇るわけじゃない」

「じゃあ、なんで君は
彼女そっくりの「人形」を創ったノ？
ユイだって、解ってて創ったんダロ？」


返される一言一言が胸に突き刺さる。

彼は、間違った事を言っていないから。

まるで自分の心の中を

見透かされているかのように

結斗の心を読んでいる。

結斗は後ずさって、部屋を飛び出した。

気分が悪い。

この感覚は一体なんだ。









アリア。

アリアを守らなければ。

早く…アリアの所へ戻らなきゃ！

結斗はそれだけを考えて、自宅へ向かった