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『人形にも感情が生まれる』と言うのが
叶家の考えだった。

実際全ての人形とは限らないが
不思議と魔力を受け

感情が生まれた人形は存在する。


愛され、大切にされた人形は
主人を愛し、災いから護ってくれる
魔除人形となるが

その逆もある。

酷い扱いをされた人形に
芽生える感情は、恨み。憎しみ。
呪い殺そうとさえするのだ。

そうした「魔力人形」を鎮める事も
叶家の仕事の一つだった。


叶の姓を持ち、「マスター」の紋章を持つ者。

この世の全ての人形達は
「人形主人」には逆らえない。

「ドールマスター」は、絶対の存在なのだ。


結斗はその「主人」に選ばれ
日本へ帰国した。


それまでの長い修行…辛い想い出。
全てを乗り越え
明日、結斗は
「ドールマスター」に…
全ての人形の「主人」となるのだ。


「明日は紋章の継承式だ。
一族が大勢集まるから
アリアも綺麗に飾ってあげなきゃね」


「私を？」


「だって
僕の大事な「パートナー」だから。
堂々と隣に居なさい」


「はい！」


「じゃあ、そろそろ寝ようか」


長旅の疲れを癒すため
結斗はベッドに入ると
すぐに眠ってしまった。