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記憶・意識・真実

罠=崩壊



アリアの「回路」を戻す。

目を開けたアリアの顔を

覗きこんでいた結斗が優しく笑った。


「おはよう」


「おはよう…」


「具合はどう?」


「ん…」


「メモリー、少しだけいじったから。
異常がないといいんだけど」


「メモリー?」


「「リア」の記憶だよ」


「ぁ…」



今まで見ていた長い夢のようなものは

結斗の記憶だったんだと

アリアは感じた。


「ユイは何も悪くないじゃない…。
どうしてあの時…あの人はあんな事を言ったの…」


涙目で言うアリアの頭をぽん、と優しく叩く。


「否定は出来ないよ。
僕に会わなければ
彼女はもっと生きていられたかもしれない。
僕の所為であんな無茶をしたんだから」


寂しそうに微笑む結斗を、アリアはただ見つめていた。


「ジンは君の中のリアの魂を欲しがってる。
魂をリアの死体に還して復活させようとしてるんだ」


「そんな事ができるの…?」


「彼は死体を操るネクロマンサーなんだ。
…いくらそれ専門の能力を持ってるからって
本当にそんな事が出来るのかは
やっぱり信じられないけどね」


深く考え込むように結斗が言った。


その姿をただ見つめるアリアの視線に気付き

結斗は再び口を開く。


「アリア、君は何も心配しなくていいよ。
僕が守ってあげるからね」


「ユイ…」


「リアの魂も、君も
僕には大切なんだ。
だから、絶対に渡したりなんかしない」


「…うん…」


































ねぇ、ユイ?

貴方が大切なのは私?

それとも「昔の恋人」?

貴方が私を見てくれない事が

何故か…切ない。
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