とあるレンジャーの休日

「紫乃、膝枕して」

 ギクリとして固まると、歩は今取り込んだばかりの布団の上に座り、そこをポンポンと叩く。

「ここ、座って」

「ええ……」

 紫乃が渋った顔を見せると、歩は「だって『手助け』してくれるんでしょ?」と言った。
 夕べ、ここで添い寝をした時、紫乃が言った言葉だ。

「それは、眠れるようにって意味で……」

「じゃあ、昼寝するから付き合ってよ」

「じゃあってなに」

 口の減らない歩に押され、紫乃は諦めて渋々そこに座った。
 膝を崩して寄せた腿に、歩が嬉しそうな様子で頭を乗せる。

「考えてみたんだけどさ。どうも俺、紫乃の気配がないと眠れないっぽい」

「なにそれ」

 紫乃は、歩の横顔を上から見下ろしつつ、首を捻った。
 彼は、ゆったりとした口調で呟くように話す。

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