とあるレンジャーの休日

 お兄さんの退職。
 再起不能になった怪我の詳細。
 事故の状況。
 そして、あの問いかけの答えも。

 どこまで踏み込んでいいのか。
――いや、もう踏み込むしかないのだ。
 そして見極めなくてはならない。
 彼が肉体的にも精神的にも、特殊部隊での任務をきちんと全う出来るのかどうか。

 紫乃は塚本の顔を思い浮かべ、思わず舌打ちしそうになった。

(やっぱりこうなる。しかも丸投げだし!)

 次、塚本に会ったら、絶対に耳を掴んで捻り、わき腹に肘打ちを入れてやろうと決めて、紫乃は再び歩き出した。


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