とあるレンジャーの休日

「ちょっと!」

「紫乃」

 歩は残念そうな表情を浮かべ、ジッと彼女を見つめた。

「なんなの、朝から。どうしたの」

「どうって」

 動揺しまくる紫乃を見て、歩は軽く息を吐き、背筋を伸ばした。

「紫乃。俺さ……」

「うん?」

 紫乃は緊張して身構えながら、おそるおそる彼の顔を見上げる。すると、なぜか歩も少し緊張した様子を見せ、ゴクリと唾を飲み込んだ。

「俺――」

「おい、何してる?」

 いきなり背後から低音の不機嫌そうな声がし、二人は揃って飛び上がった。

「うわ!」

「きゃっ」

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