とあるレンジャーの休日

「だってじゃないでしょ! そういうこと、勝手にしちゃダメ!」

 怒る紫乃を見て、彼は「ごめん、もうしない」と謝りながらも、ニコニコしていた。

「反省してないでしょ」

「んー、今日ずっとかわされてきたからさ」

「そんなとこに、不屈の精神発揮しなくていいから!」

 彼はおかしそうにクククと笑うと、また勢いよく布団の上を転がってみせた。






 歩は早速、今夜から一人寝にチャレンジしてみると言い、紫乃は一旦部屋へ戻った。

「一応夜中まで起きてるから。もし眠れなかったら廊下に出てきて」

 そう伝えておいたら、深夜0時を過ぎた頃、隣の部屋のドアが開く音がした。
 紫乃が気配を窺っていると、トイレに向かう様子はなく、そのまま廊下に佇んでいるようだ。

 紫乃は、ベッドから降りて、自室のドアを静かに開いた。
 すると、落ち込んだ表情の歩が、ゆっくり顔を上げる。

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