とあるレンジャーの休日

「ねえ紫乃ちゃん。家で若い男の子囲ってるってホント?」

「はい?」

 声が不自然に上擦る。
 十中八九、歩のことだと思われるが、どこで情報がそのように変換されたのか気になった。

「囲ってない。預かってるだけです」

「でも若い男の子はいるんだ?」

「若いっても……2コ下だし」

「余計気になるなぁ、それ」

 興味津々なのがあからさまで、紫乃はどうしたらいいものか悩む。
 どんな言い訳も、受取り手の期待に反する言葉というのは伝わりにくいものだ。

「面倒みてるのは、父さんですからね」

 歩が道場にいる時間も日に日に長くなっているから、あながち間違いではない。
 すると山城は、「吾郎さんも公認なんだ~」と返してきた。
 紫乃はギョッとして目を見張る。

「公認って?」

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