とあるレンジャーの休日
痛みからか足を引きずり、とても顔色が悪い。
表情もキツそうで、紫乃は慌てて立ち上がった。
「痛み、ぶりかえしてきた?」
「紫乃ちゃん……ごめんねぇ。昨日、雨だったでしょう。膝がとても痛くて、我慢できずに来ちゃった」
彼女は関節リウマチだ。
診断がついてから半年ほど投薬をしてきたが、症状のぶりかえしが激しい。
年齢から考えても、動けなくなったら最後、寝たきりになってしまう。
なんとか痛みを取り、リハビリを継続させなくてはならなかった。
「痛いのは我慢しなくていいんだよ。ベッドに座って、膝が腫れてないか見せてね」
紫乃は山城に採血の指示を出し、おばあちゃんのズボンの裾を捲り上げて、膝の様子を確認する。
やはり腫れと変形の予兆が出ており、紫乃はここでの治療の限界を感じた。
「おばあちゃん。やっぱり総合病院に行こう。ここじゃ検査結果も出るの遅いし、必要な薬もすぐには用意できないし」
これまでにも何度か同じ説得をしたのだが、彼女はいつものように首を横に振った。