とあるレンジャーの休日
「精密検査だ。採血の数値が薬で誤魔化しきれなくなってきた。昔の知り合いに頼んで予約を入れてもらったんでな」
(精密検査……?)
紫乃は顔色を変え、清二郎に迫った。
「何の検査? 数値って……結果はどこ?」
自分で見たほうが早い。
紫乃がそう言い出すことがわかっていたのか、清二郎はポケットから折りたたんだ紙を取り出し、それを差し出した。
紫乃はそれをひったくるようにして受け取り、並んでいる項目と数値を確認する。
「肝臓……? マーカーも上がってる」
軒並み、肝硬変や肝不全を疑わせる数値が出ていた。
腫瘍マーカーも上がっているため、胆管系のがんの疑いもある。
「精密って?」
「とりあえずはCTだ。日を改めて血管造影も」
紫乃はパジャマのまま床にへたり込み、悔しそうに唇を噛んだ。
「なんでもっと早く……」