とあるレンジャーの休日

「――わかった。明日は一人で、なんとかするから」

「ああ。頼んだぞ」

 紫乃は大人しく頷き、力無く、のっそりと立ち上がった。

 泣きそうな顔をしながら、着替えるために二階へ戻ろうとする紫乃の後を、歩が追いかける。
 ふと彼が後ろを振り返ると、清二郎は自嘲的な笑みを浮かべながら、出て行く二人を見送っていた。

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