とあるレンジャーの休日

「やっぱ、紫乃って変わってる」

「……引いた?」

 そう訊くと、彼はクククと笑いながら「引かない!」と言って、いきなりギュウッとハグをしてきた。

「わあっ!」

「ごめん! デートの続き、しよう!」

 運動して温まっている歩の筋肉を、たった一枚のTシャツ越しに感じて、紫乃の頭にも血が上った。

(これは刺激が強すぎるんですけどっ)

「離して!」

 そう叫んだら、歩は「ヤダよ」と言いながら、そのまま紫乃の肩を抱き、荷物を預けている受付に向かって一緒に歩き出した。

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