とあるレンジャーの休日

「ごめん。えっと、兄貴は……紫乃に似てるよ」

「私に?」

 意外なことを言われ、紫乃は目を丸くする。

「性格が? それとも見た目?」

「見た目は全然似てない。なんていうか、雰囲気とか佇まいが……そっくりだなって」

「そうなんだ」

 紫乃は、歩の顔を横からジッと覗き込む。
 彼はなぜか、たじろいで顔を横に背けた。

「歩って……ブラコン?」

 そう訊ねたら、歩は途端に苦い顔をして「あ〜」と声を漏らした。

「違うから! 兄貴と紫乃は似てるけど、全然違うしっ!」

 紫乃は、からかい半分に訊ねる。

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