とあるレンジャーの休日

「どう違うの?」

「兄貴には欲情しないっ!!」

(欲情!?)

 とんでもない答えが返ってきて、紫乃は慌てて周囲を見回す。
 こんなのどかな、子どもも沢山いる広場で、なんてことを叫ぶのか。

 でも幸い、歩の発言を気に留めた人はいなかったようだ。

「急にバカなこと言わないで!」

「バカなことじゃねーし!」

「あのね……」

 おでこに手を当てて眉根を寄せると、なぜか歩は紫乃の眉間に指で触れ、そこを横にひっぱって伸ばした。

「ちょっと、何してんの!」

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